AWS認定資格の種類とレベルをざっくり解説
AWS認定資格は、クラウドに関するスキルや知識を証明する公式な資格制度です。
全12種類の資格があり、初心者から上級者まで幅広いレベルに対応しています。まずはこの全体像をざっくり把握することが大切です。
初心者にもわかりやすいAWS資格の全体像
AWS資格は、役割やレベル別に設計されています。「どの資格をいつ取ればいいのか?」を迷わないためにも、それぞれの位置づけを理解しておきましょう。
ファンダメンタル・アソシエイト・プロフェッショナル・専門の4分類
AWS資格は大きく以下の4つに分類されます。
- Foundational(初級:2資格):クラウドの基礎を学ぶ(例:クラウドプラクティショナー)
- Associate(中級:5資格):基本的なアーキテクチャ設計など(例:ソリューションアーキテクトアソシエイト)
- Professional(上級:2資格):高度な設計や運用スキル(例:ソリューションアーキテクトプロフェッショナル)
- Specialty(専門:3資格):特定分野に特化(例:セキュリティ、マシンラーニング)
初心者は、まずファンダメンタルから取り組む、アソシエイトにレベルアップするのが基本戦略です。
初心者におすすめのAWS資格はこの2つ
AWS資格が多すぎて、どれから手をつけるか迷う人は多いはず。
そこで、初心者向けに特におすすめの2つを紹介します。
まずは「クラウドプラクティショナー」から始めよう
AWS認定資格を初めて受験するなら、最初の一歩として最適なのが「AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF)」です。
この資格は、AWSクラウドの基本的な理解を証明するファウンデーショナル(基礎)レベルに位置づけられており、エンジニアに限らずビジネス職や学生にも幅広く推奨されています。
試験概要(2024年時点)
- 分類:Foundational(基礎レベル)
- 試験時間:90分
- 問題数:65問(選択式/複数回答式)
- 受験方法:オンラインまたは試験センター(Pearson VUE)
- 試験言語:日本語を含む12言語以上に対応
- 受験料:100 USD(約15,000円前後・為替により変動)
どんな人におすすめ?
- AWSクラウドをこれから学び始める方
- エンジニアだけでなく、営業・企画・マーケティングなどの非技術職の方
- クラウドやITに関する基礎知識を身につけたい学生や新人研修中の方
この資格で得られるメリット
- クラウドコンピューティングの基本概念(スケーラビリティ、弾力性、オンデマンドモデルなど)が理解できる
- AWSの主要サービス(EC2、S3、RDSなど)の概要を把握できる
- AWSの請求モデル・セキュリティ・責任共有モデルといったビジネス的観点の基礎が身につく
- AWS公式サイトやドキュメントに抵抗感がなくなる
注意点とステップアップのすすめ
CLFは「AWSの概要を理解する」ための資格であり、実務的な構成設計や開発スキルまでは問われません。
そのため、取得後は「ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)」など中級レベルの資格に進むのが一般的なルートです。
次に「ソリューションアーキテクト アソシエイト」へ進もう
クラウドプラクティショナーで基礎を学んだら、次のステップとして最もおすすめなのが「AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)」です。
この資格は、AWSのサービスを活用して費用対効果の高いシステム設計ができるスキルを問うもので、現場でも評価される中級レベルの認定です。
試験概要(2024年時点)
- 分類:Associate(アソシエイトレベル)
- 試験時間:130分
- 問題数:65問(選択式/複数回答式)
- 受験方法:オンラインまたはテストセンター(Pearson VUE)
- 試験言語:日本語を含む10言語以上に対応
- 受験料:150 USD(約22,000円前後・為替により変動)
どんな人におすすめ?
- 基本的なAWSのサービスと概念を一通り学んだ人
- インフラや設計業務に関わる初中級のエンジニア
- AWSを用いたシステム設計や最適化に関心がある方
試験で問われる主な内容
- 信頼性が高く、スケーラブルなシステム設計
- コスト最適化とパフォーマンスのバランス
- セキュリティとコンプライアンス設計の考慮
- AWSサービスの活用方法と選定判断力
プログラミングの実務経験は必須ではありませんが、基本的なプログラミングの概念を理解していると有利です。
この資格を取ることで広がる可能性
- AWSを活用したシステム設計の基本をマスターできる
- 社内のクラウド導入プロジェクトで主導的な立場に立てる
- 転職やキャリアアップ時に「設計スキルあり」の証明になる
その他の資格はどのタイミングで取るべきか?
クラウドプラクティショナー(CLF)とソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)を取得した後は、自分の役割や関心に合わせて中級~上級資格に進む選択肢が広がります。
AWS認定資格は大きく以下の3カテゴリに分かれています。
- スペシャリティ(専門特化)
- アソシエイト(中級)
- プロフェッショナル(上級)
DOP(デベロッパー)やSysOpsの特徴
アソシエイトレベルの中でも、SAA以外の2つには明確な役割の違いがあります。
AWS認定デベロッパー – アソシエイト(DVA)
- 対象:AWS上での開発・自動化・デプロイに携わる開発者
- 内容:LambdaやAPI Gateway、CI/CDパイプラインの設計・構築など
AWS認定SysOpsアドミニストレーター – アソシエイト(SOA)
- 対象:システム運用・監視・管理に関わるエンジニア
- 内容:CloudWatchやCloudFormation、可用性や復旧性の維持など
専門資格・プロ資格はどんな人向け?
さらに上位を目指す方には、プロフェッショナルやスペシャリティ資格がおすすめです。
プロフェッショナル(Professional)
- ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル(SAP)
大規模な設計・マイグレーション・最適化を担う人向け - DevOpsエンジニア – プロフェッショナル(DOP)
自動化と運用の高度な知識・スキルを要する実践者向け
スペシャリティ(Specialty)
以下のような特定分野に特化した6つの資格があります。
- セキュリティ(Security)
- 高度なネットワーク(Advanced Networking)
- 機械学習(Machine Learning)
- データ分析(Data Analytics)
- データベース(Database)
- SAP on AWS
これらは、すでにAWSに関する深い知識や実務経験を持っている方向けです。
逆に言うと、実務経験なしでこれらの資格に合格するレベルまで知識を習得できたのであれば、実務に入る準備の一つが整ったと言えるかもしれません。
資格選びのコツとキャリアパスの考え方
AWS資格は「数をたくさん取れば良い」というものではありません。
あなたの職種・スキルレベル・今後のキャリア目標に合った資格を選ぶことが、最大限に活かすコツです。
自分に合った資格を選ぶための3つの視点
- 現在の役割・職種
- 開発者であれば「DVA」、運用担当なら「SOA」、設計職なら「SAA」など、業務に直結する資格を優先しましょう。
- 将来目指したいキャリア
- アーキテクトとして大規模案件を担当したいなら「SAP」へ、
- 機械学習やデータ分析に進みたいなら「ML」や「Data Analytics」などスペシャリティ系へ。
- 現時点のスキルと学習余力
- 「プロフェッショナル」や「スペシャリティ」は難易度が高め。AWS実務経験が1~2年以上あると望ましいとされます。
- 初学者は「CLF」→「SAA」→関連アソシエイト資格の順が堅実です。
資格はあくまで通過点、活かしてこそ意味がある
AWS資格は「合格証を得ること」がゴールではありません。
その知識やスキルをプロジェクト・業務・転職活動などに活かしてこそ価値が生まれます。
- 面接で「取得した資格でどんなスキルを身につけたか」語れるようにする
- 社内で資格を活かして、クラウド導入や運用改善に貢献する
- コミュニティや勉強会で知識共有をして学びを深める
こうしたアウトプットの習慣が、AWS認定資格を「活きたスキル」に変えてくれます。
AWS資格についてよくある質問
Q. 資格には有効期限がありますか?
A. はい。AWS認定資格の有効期限は3年間です。再認定を受けることで延長できます。
AWSのサービスは日進月歩で新しいサービスが出たり機能改善されているので、資格価値の陳腐化を防ぐ目的もあると考えています。私の場合は有効期限が切れた後に再度認定試験を受けることもあります。
Q. 英語力は必要ですか?
A. 試験は日本語対応しているため、英語が苦手でも受験可能です。日本語版の試験を受けた場合、試験途中で日本語と英語を切り替えることもできます。試験問題は機械翻訳で不自然な日本語となっていることもあり、英語の方が意味を理解しやすいこともあります。AWS公式ドキュメントは英語が多いため、少しずつ慣れるのがおすすめです。
Q. 学歴やIT経験がなくても受けられますか?
A. はい。クラウドプラクティショナーは未経験者でも合格できる設計になっています。実際に非エンジニアの人でもクラウドプラクティショナーを短期間の勉強で取得するケースをよく見かけます。
エンジニアを目指す人は、クラウドプラクティショナーをサクッと取得して、SAAの勉強に進みましょう。
まとめ:迷ったらこの順番で進めよう!
AWS資格は全部で12種類と多く、どれから取るべきか迷いやすいですが、
初心者〜中級者の方には以下のステップがおすすめです。
ステップ1:クラウドプラクティショナー(CLF)
- AWSの基礎用語や概念、請求モデル、安全性を学びたい人に
- IT未経験や非エンジニアでも合格可能
ステップ2:ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)
- AWSの代表的なサービスや、設計・構築の基本を学びたい人に
- クラウドキャリアの中核となるスキルが身につく
ステップ3:関心と職種に合わせて発展資格を選択
- 開発者 → デベロッパー アソシエイト(DVA)
- 運用担当 → SysOps アソシエイト(SOA)
- 設計・提案の上級職 → ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP)
- 特定分野に進むなら → Security/ML/Analyticsなどスペシャリティ資格
資格の選び方は「あなたの今」と「これから」によって変わります。
焦らず、ひとつずつステップアップしながら、クラウドスキルを実務で活かせる“本物の強み”へと育てていきましょう。
✅ 今すぐチェック!おすすめ教材&受験ガイド
AWS資格を効率的に取得するには、信頼できる教材選びが重要です。
- Udemy:AWS認定試験対策講座一覧
⇒ 現役エンジニアにも支持される人気講座。セール時は90%オフも。 - スタディング AWS認定講座
⇒ スマホでスキマ時間に学習可能。初心者に優しい構成。 - Ping-t:SAA無料対策&問題演習
⇒ 無料で始められる定番の試験対策サイト。模試もあり。
気になる講座は、無料サンプルを見てから選ぶのがおすすめです。